9R後行われた優勝戦6選手による2本の特訓は、ともに123/456。1本目は3コースの平本が早めの起こしから艇団をリードしたが、インの菊地も軽快な行き足を披露した。ダッシュ勢では6コースの佐藤が力強い踏み込みを見せた。
2本目はスロー3艇は、ほぼ互角の踏み込みで、スリット後の足の差もなかった。現状の仕上がりなら、スタート力を考えれば、インの菊地が主導権を奪われるシーンはなさそう。ダッシュ勢では5コースの田村、そして2本目も佐藤の雰囲気がよく映った。
完全Vも視野に入れていた西山が準優11Rで3着に敗れ、予選2位通過で準優10Rを逃げ快勝した菊地に絶好枠が巡ってきた。突出した足ではないが、ターン回りはしっかり。代名詞の速攻力も加われば逃げ濃厚だ。SG2Vのメモリアル水面で今年初Vを決める。対抗は同じく準優9Rを押し切った磯部。2コースから角度いい差しハンドルでバック菊地に迫る。同じ愛知の平本はセンター自在に内2艇の攻略を目指す。カド・谷野は当地連続Vへ、スリット攻勢を繰り出す。
1 | 菊地孝平 | 回っていなくて、2日目の状態では行けなかったのでペラはしっかりと叩いた。足はずっと普通だけど、回り足はしっかりしている |
2 | 磯部誠 | またペラをやって、いい方向には来ている。準優は回らない条件で上がりは鈍かったが、谷野選手よりも自分の方が余裕があった。足はバランス型 |
3 | 平本真之 | スタートが分かっていない。今節は割と早いから、レースで慎重になり過ぎている。3号艇だから、スタートを決めて攻めたい。準優は西山と佐藤大に出て行かれた。優出メンバーの比較なら出足はいい |
4 | 谷野錬志 | バランスを求めて雰囲気はよくなった。準優が今節で一番感じが良かった。乗りづらさが解消した。これをベースに伸びを求めるか、差せるようにするか、考える。(若松連続Vへ)臨機応変に行けるように頑張ります |
5 | 田村隆信 | 地区選のVエンジンのような感じではないですね。もっと出ている人がいる。不満ではないけど、満足もしていない。出足や行き足は問題ない。乗り心地を整えたい。スタートはコンマ10くらいいって、展開をつきたい |
6 | 佐藤翼 | 気温の変化には対応できたけど、展示タイムが出てないのは気になる。でも道中の体感は良かったし、ターン回りはいい。優勝戦は外になるのでチルト0.5も考える。今節はスタートが分かってないので練習でつかみたい |
どーも!
シリーズを引っ張て来た西山が準優で3着。波乱の決着なんですけど、完全優勝がかかってくる中では、よくあるパターンなんですよね。でも優勝戦はすごくいいメンバーでの対決になりました。西山の敗退で絶好枠が転がり込んできた菊地がここは強い気持ちで勝負に出るでしょう。皆さんもご存じのスタート力。自分もコンマ10なら確信を持っていけることはもちろんあるんですけど、その先は自分的には根性試しなんです。でも菊地とか守田(俊介)、原田(幸哉)はその先の世界が見えるんです。過去には僕がイン、菊地が2コースのとき、僕がこれは〝早い〟と思ったら、隣の菊地はフルかぶっているんですよね。レース後、「キク、今のは早いやろ」って声をかけたら、菊地は「コンマ03だと思います」って何事もない顔で言い切るんです。実際、スリット写真を見たら本当に03、04のときが何回もありました。そんな異次元の速攻力の持ち主の菊地ですけど、昨年はSGの優勝戦で2回、インから負けているんです。そのトラウマというか、苦い思い出は常に頭をよぎると思います。SGと一般戦、ステージは違いますが、そこは数をこなして払拭していくしかないんです。その意味でも、このイン戦は力強く踏み込んでくるはずです。
2コースの磯部のレースプランとしては、菊地が遅れることは考えにくいので差しだけでしょうね。平本も勝つにはまくり差し一択ですね。1マーク内3艇が並走する状態の中、菊地がハンドルを切るタイミングと、磯部の差しに構えるためにへ先が下がるタイミングがハマれば、突き抜けるシーンはあると思います。このクラスの選手は〝これは入れる〟という感覚を持っているんです。
でも当然、磯部も同県の先輩である平本とは幾度となく対戦しているのでスタイルは分かっています。そう簡単に押さえ込まれることはないはず。両者がけん制し合えば、4コースの谷野が次位争いを優位に進める位置に出てくるでしょう。