12R・優勝戦メンバーのスタート特訓は第10R発売中に実施。ホーム向かい風5メートルが吹いていた直前の第9R同様に強めの向かい風コンディションのため、安定板を装着して行われた。進入は1本目、2本目ともに枠なり3対3。1本目は島村が3分の1艇身か半艇身程度、スリット手前から伸びた。インの杉山、4カドの石橋も動きは良かった。茅原もまずまずだった。2本目は島村と茅原が軽快な動き。杉山は安定板が付いた影響かやや起こしでモタつき、島村に対して劣勢ムードだった。
愛知支部の〝バイプレーヤー〟が悲願のGⅠタイトルをつかみ獲る。オール3連対で予選をトップで通過した杉山は昨準優12R、インからコンマ05の好スタートを決めると、3コースから握った茅原を受け止めて逃げ快勝。変わらず実戦足が強力で伸びも見劣らないレベルに仕上がっている。これが18回目のGⅠ優出で「ラストチャンスくらいの気持ちでいく」と気合は十分。最後も気迫あふれる逃走劇でデビュー23年目での特別戦初Vを成し遂げる。
同じくGⅠ初優勝を狙う島村が対抗格。仕上がりは節イチだけに2コースから角度よく差しが入れば2マーク先取りも十分にある。内両者が優勢だが、グランプリ覇者たちが不気味。準優10Rで2000勝を達成した辻は伸びを生かした強気攻め。好パワーの茅原としぶとい中島も侮れない
1 | 杉山正樹 | 出足はトップ級。ターン出口がノンストレスで押してくれる。行き足もしっかりしているし、乗り心地も問題ない |
2 | 島村隆幸 | 足はいいです。伸びだけでなく、出足もいい。ターンもよくなっている。総合的に見れば節イチじゃないかなと思う |
3 | 辻栄蔵 | いいダッシュ乗りでいけた。〝◎〟がつくのは伸びですかね。出足は普通。まだターン回りに関しては少しズレはある |
4 | 石橋道友 | 出足は上位。行き足もいい部類だと思う。乗りやすさもあった。でも島村と田中信さんが2強じゃないのかなと思う |
5 | 茅原悠紀 | 伸びはずっといいままで、準優は回った後も押していた。足は上位。ターン回りがもう少しよくなれば言うことなし |
6 | 中島孝平 | (2連対率)40%のエンジンらしく出足、伸びともよくて不満はない。これをベースに行く。Sは何となく行けている |
自身18度目のGⅠ優出となる杉山正樹だが、
一つ外には艇界でも指折りのスタート力を誇る島村が、
そうなると色々な展開を予想したくもなるものだが、
なんだけど・・・これ、安いですよね?
あ、ちなみに僕が「どう考えても安いところで決まりそう」
荒天で中止順延があって7日間シリーズとなった宮島周年もいよいよファイナルを迎えました。準優10Rは予選3位の今井選手がインから4着で脱落しましたが、11Rの島村選手、12Rの杉山選手はしっかりと逃げました。優勝戦は足の特徴こそ違うけど、杉山選手、島村選手、辻選手の内3人の仕上がっています。まず杉山選手はバランスが取れた出足系。昔は伸び一辺倒って仕上がりのときもあったけど、年齢を重ねて柔軟に仕上げ方も変わってきました。インから行くならこっちの方が安心感があるし、そのスタートも決めやすい。あとはそのスタートをしっかりと決めるだけでしょう。これが最後のチャンスぐらいの意気込みで臨むと思うし、まあ大丈夫だと思う。18回目の挑戦でGⅠ初Vがかかる場面。プレッシャーはあると思うけど、それ以上に年齢を重ねて経験を積んできたことがモノを言うと思う。慌てることなく以前よりも落ち着いて臨めるんじゃないでしょうか。ただ、足的に一番インパクトがあるのは島村選手。杉山選手同様にGⅠを勝ちたい気持ちは強いと思います。2コースからの差しになりますが、辻選手が3コースからまくり差してくるので、状況的にゆったりと構えた差しはできません。早差しになるので〝頭あって、ヒモなし〟のパターンかもしれませんね。島村選手が1着を狙うならまずはスタートで先手を奪って杉山選手にプレッシャーをかけつつ失敗を誘うっていう形だと思います。辻選手はグランプリを含めてSG3冠。GⅠは9Vのうち、地元でも2回優勝を飾っていますが、地元の周年は何回でも勝ちたいところ。優勝を狙う気持ちは内の2人にも負けていません。仕上がりはいつも通り伸び系で乗り心地も良さそう。3カドから豪快にまくった準優10Rと同じ3コース公算ですが、宮島はコースのレイアウト的にスタートが難しい。3カドにすると200㍍(の位置)がどこか分かりづらい。準優は3カドがハマッたけど、今回はしっかりと自信を持ったスタートが行けるスローから行くでしょう。勝つためにまずはまくり差しを狙うけど、辻選手は結構冷静なんでね。ハンドルを入れた瞬間に無理だと思ったら右ハンドルで外マイもできる冷静さとテクニックがあるので、2番手追走か、それか1周2マークでもう一回勝負っていうシーンもあるかもしれません。辻選手がスタートを決めて攻めて出れば、(石橋)道友は4カドから差し構え。展開的にチャンスはあるんですが、気配的にそこまでじゃないんですよね。それよりもカヤ(茅原)の方が面白そう。あとは(中島)孝平の6コースは3着付け。大外から展開を突くのが巧いから、その辺もちょっと考えてみたいですね